2018.08.08
生涯のうち一箱に留めておくつもりであったタバコを、もう一箱買った。大学内のキャンパス内で喫煙するという経験をしてみたかったからである。所属大学のキャンパス内の喫煙所が今年の夏休み限りで全面撤廃されると聞き、消失する場所ないし経験に対するある種の愛着を感じたことも理由の一つかもしれない。
煙というのは死の象徴である。煙草に火がつき、先端からじりじりと煙を上げてその長さが短くなるさまを見るとき、私はそこにひとつの死を見て取ることができる。それを漂う甘い香りとともに逃さず捉えながら、私は残された時間について思いを巡らせる。
今はただ、為すべきことに心を向けるのみである。
「歪んだ無常の遠き日も セヴンスターの香り 味わう如く季節を呼び起こす」